いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
アニメファンの皆さん、あるいはそうでない方も、一度はその名を聞いたことがあるでしょう。
「死んだ魚のような目」をした侍、坂田銀時。
そして、彼に魂を吹き込み続けた声優、杉田智和(すぎたともかず)さん。
アニメ『銀魂』といえば、ギリギリを攻めるパロディや、抱腹絶倒のギャグ、そして涙を誘うシリアスな展開の寒暖差が魅力です。
ファンの間では長年、まるで台本がないかのように繰り広げられる「伝説のアドリブ」の数々が語り草となっています。
しかし、その自由奔放に見える演技の裏には、実は意外な「真実」が隠されていました。
今回は、杉田智和さんが語る『銀魂』の裏側と、キャスト陣の絆が生んだ奇跡的な名シーンについて、当時のエピソードを交えながら深く掘り下げていきたいと思います。
杉田智和と「アドリブ」の真実:計算されたカオス

『銀魂』の魅力の一つとして、多くのファンが挙げるのが「これ、絶対アドリブでしょ?」と感じる会話のテンポです。
特に、BGMも映像も動かない「万事屋の静止画」だけで数分間喋り続けるシーンなどは、声優陣の力量が試される場でした。
しかし、杉田智和さんご自身は、こうしたシーンについて非常に謙虚かつプロフェッショナルな姿勢を見せています。
実は、私たちが「杉田さんの天才的なアドリブだ!」と笑い転げていたシーンの多くが、脚本家の書いたセリフを一言一句違わず、あるいはその意図を汲んで演じきった結果であることも多いのです。
「台本」と「演技」の化学反応
もちろん、現場の空気感で生まれた遊び心や、杉田さんの瞬発力が光る場面も多々あります。
ですが、杉田さんはかつてインタビューなどで「台本にある面白さをどう最大化するか」に腐心していたと語ることがあります。
- あえて「やる気のない」演技:銀時の「気だるげなツッコミ」は、計算された脱力感です。
- ギリギリのパロディ:ピー音が入るような発言も、実は台本通りの場合があり、それを「どう面白く言うか」が杉田さんの腕の見せ所でした。
つまり、『銀魂』における「伝説のアドリブ」とは、単なる思いつきの発言だけではなく、「制作陣の無茶振り」と「杉田さんの職人芸」が化学反応を起こして生まれた、高度なエンターテインメントだったと言えるでしょう。
杉田智和と万事屋の絆:互いに「甘えられる」関係

『銀魂』を語る上で欠かせないのが、志村新八役の阪口大助さん、神楽役の釘宮理恵さんとの「万事屋トリオ」の絆です。
15年以上にわたり家族のような時間を過ごしてきた3人の関係性は、そのままアニメの空気感に直結していました。
特に興味深いのは、収録現場での彼らの様子です。
激しいツッコミ役である阪口さんがいるからこそ、杉田さんと釘宮さんは安心してボケ倒すことができたといいます。
映画『銀魂 THE FINAL』公開時のインタビューで、杉田さんはこの関係性について非常に温かい言葉を残しています。
「僕自身も良かったな、アーティストの皆さん優しいな、なんでこんなに優しいのかなと……。甘やかされていますよ。僕、絶対すごく甘えているんです。」
(出典:シネマトゥデイ)
この言葉に対し、阪口さんも「それはたぶん僕らもそうだから。お互い甘え合っていますから」と返しています。
阿吽の呼吸が生む安心感
- 呼吸のような掛け合い:長年の付き合いにより、相手がどう出るか瞬時にわかるため、リハーサルなしでも成立するほどの阿吽の呼吸が生まれていました。
- 収録後の食事:収録が終わった後、自然と食事に行き、作品のことや他愛のない話をする。その「日常の延長」が、万事屋のあのリラックスした雰囲気を生み出していたのです。
私たちが画面越しに感じていた「実家のような安心感」は、彼らが互いに信頼し、甘え合える関係だったからこそ生まれたものだったのですね。
杉田智和にとっての「坂田銀時」:切っても切り離せない存在

15年という長い歳月を銀時として生きた杉田さん。
シリーズ開始当初は、大先輩である共演者に囲まれ、主役としてのプレッシャーに押しつぶされそうだったといいます。
初期の頃、杉田さんは自分自身の演技について「ずっと背伸びをしていた」と振り返っています。
「ずっと背伸びしたままマイク前に立っていて、ちょっとでも力が入ったら転倒してしまうぐらい地に足が着いていなかったです。『どうしよう、目上の人だらけだ』と。(中略)結果ばかり焦っていました」
(出典:MANTANWEB)
しかし、物語が進むにつれて、杉田さんと銀時は不可分の存在になっていきました。
銀時が万事屋や江戸の住人たちとの絆を深めていったように、杉田さんもまた、キャストやスタッフとの信頼関係の中で成長していったのです。
「さよなら」ではなく「ありがとう」
シリーズ完結となる『THE FINAL』の収録は、コロナ禍という特殊な状況下で行われました。
通常であれば盛大に行われる打ち上げなども難しい状況でしたが、収録の最後も過度に感傷的になることはなかったそうです。
感涙の別れ……といった湿っぽい雰囲気ではなく、あくまで『いつもの仕事』のように、「お疲れ様でしたー」と淡々と終わったとのこと。
それは、「終わらないことが終わり」という『銀魂』らしいパラドックスを受け入れ、銀時という存在がこれからもファンの心、そして杉田さん自身の中で生き続けることを知っているからこその、信頼の証だったのかもしれません。
まとめ
杉田智和さんが演じた坂田銀時は、単なるアニメのキャラクターを超え、私たち読者や視聴者の人生の一部となりました。
今回振り返ったように、「伝説のアドリブ」の裏には、脚本への深い理解と、それを成立させるための高度な技術がありました。
そして、その自由な演技を支えていたのは、阪口大助さんや釘宮理恵さんといった「万事屋」の家族のような絆でした。
杉田さんが当初感じていたプレッシャーは、15年の時を経て、揺るぎない信頼と自信へと変わりました。
「銀時は切っても切り離せない存在」という言葉には、役者としての重みと、キャラクターへの深い愛情が込められています。
『銀魂』という作品は完結しましたが、杉田さんの声で再生される銀さんの名言や、抱腹絶倒のシーンは、これからも色褪せることはないでしょう。
たまにはアニメを見返して、あの独特の「ノリ」に浸ってみるのもいいかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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